ツール・ワークフロー

Midjourneyの商用利用と著作権|ブログのアイキャッチを量産する実践ワークフローと5つの国・地域のルール【連載第7回・最終回】

2026年10月3日

Midjourney入門連載も、いよいよ最終回です。第1回の登録から始まって、プロンプトの型、パラメータ、絵柄の統一、Editによる修正、動画生成まで、一通りの機能を検証してきました。

最終回のテーマは2つあります。1つは、ここまでの内容をつなげたブログのアイキャッチを量産するワークフロー。もう1つは、避けて通れないMidjourneyの商用利用と著作権の話です。「有料プランなら商用OKでしょ?」くらいの認識でいた筆者も、今回あらためて調べてみて、けっこう知らないことがありました。

なお、筆者は弁護士ではありません。法律まわりは公式の規約や各国の公的な資料をもとに整理していますが、実際の案件で判断に迷うときは専門家に相談してください。

※Midjourneyの仕様・料金・利用規約、各国の法制度や訴訟の状況は変更される場合があります。本記事の内容は2026年10月時点の情報に基づいています。

アイキャッチ量産の実践ワークフロー

まずは、筆者が今このブログで実際に回している流れです。連載のどの回の内容を使っているかも書いておきます。

STEP1:テンプレートを決める(第2回・第4回)

毎回ゼロからプロンプトを考えていると、時間もかかるうえにテイストがバラバラになります。そこで、第2回の「型」と第4回のスタイルコードを組み合わせたテンプレートを1つ決めてしまいます。

日本語プロンプト(テンプレート)[記事のテーマを表す被写体]、フラットなイラスト、明るい背景、くすんだピンクとグレーの配色、シンプルな構図、右側に広い余白、横長

英語プロンプト(Midjourney・海外サイト用)[subject for the article], flat illustration, light background, dusty pink and gray color palette, simple composition, wide empty space on the right --ar 16:9 --sref [ブログ用スタイルコード]

「右側に広い余白」を入れているのは、後からタイトル文字を載せるためです。

STEP2:SDで回して選ぶ(第1回・第3回)

テンプレートの被写体だけを差し替えて、標準画質で3〜4回ほど回します。1回で完璧を狙わず、12〜16枚の中から一番いいものを選ぶ気持ちでいるのがコツです。気に入った1枚が出たら、シード値をメモしておくと後で再現しやすくなります。

STEP3:Editで直す(第5回)

「ほぼいいけど、ここだけ変」という部分をEditorで修正します。手の形、小物の向き、余計な文字っぽい模様などは、だいたいここで片付きます。

STEP4:HDで仕上げて文字を載せる

最後にHD(2K)で生成し直して仕上げ、タイトル文字は画像編集ツールで載せています。V8系は文字の描写が良くなっていて、フランスのWebメディアでも、入れたい文字を引用符で囲めば以前より確実に描けると紹介されていました。ただ、日本語のタイトルを狙い通りの書体と位置で入れるなら、画像編集ツールのほうが確実で修正もラクです。

出典:Blog du Modérateur(フランス)「Midjourney v8 : le générateur d’images tente de revenir dans la course」
https://www.blogdumoderateur.com/midjourney-v8-generateur-images-revenir-dans-course/

STEP5:プロンプトと生成日を記録する

地味ですが、これが一番大事なステップかもしれません。理由は、この後の著作権の話で出てきます。筆者はスプレッドシートに、記事URL・プロンプト・シード値・生成日をまとめて残しています。

Midjourneyの商用利用ルール

ここからは権利の話です。まずはMidjourney自身のルールから確認します。公式の利用規約によると、年間売上が100万ドルを超える企業やその従業員は、生成物を所有するためにProかMegaのプランに入る必要があります。また、作った生成物の所有権は、その後にプランを下げたり解約したりしても続くとされています。

出典:Midjourney(アメリカ)「Terms of Service」
https://docs.midjourney.com/hc/en-us/articles/32083055291277-Terms-of-Service

商用利用についての公式ヘルプでは、作った画像や動画は解約後も自分のものであり、基本的に自由に使ってよいとしたうえで、Midjourneyは著作権についての助言はできない、著作権法は国によって違うので具体的な疑問は弁護士などの専門家に相談するように、とも書かれています。

出典:Midjourney(アメリカ)「Using Images & Videos Commercially」
https://docs.midjourney.com/hc/en-us/articles/27870375276557-Using-Images-Videos-Commercially

個人ブログや小規模な事業であれば、Midjourneyの利用規約上、有料プランで生成した画像をアイキャッチなどに商用利用できます。ただし、第三者の著作権・商標権・肖像権などを侵害しないことは、規約とは別に必要です。また、第1回で書いた通り、BasicとStandardではStealthモードが使えないため、生成物をMidjourney上で非公開にすることはできません。クライアントワークで未公開の商品を扱うなら、Stealthモードが使えるPro以上を選びましょう。

「使っていい」と「著作権で守られる」は別の話

ここが一番誤解されやすいところです。Midjourneyの規約で「使ってよい」とされていても、その画像が法律上の著作物として守られるかどうかは、また別の問題になります。

アメリカ:プロンプトだけでは著作者になれない

アメリカの著作権局は2025年1月に公表した報告書で、現在の一般的な技術では、プロンプトを与えるだけでは、通常、AIの出力に対する十分な人間のコントロールがあるとは言えないという結論を出しています。一方で、人間が創作的な表現を決めた部分、たとえばAIの出力に加えた創作的な修正や配置などは、保護の対象になり得るとしています。

出典:IPWatchdog(アメリカ)「Part Two: Copyright Office AI Report Says Creative Prompting Doesn’t Constitute Authorship」
https://ipwatchdog.com/2025/01/29/part-two-copyright-office-ai-report-says-creative-prompting-doesnt-constitute-authorship/

つまり、Midjourneyで作ったアイキャッチをそのまま使っている場合、誰かにまねされても著作権で止めるのは難しい可能性がある、ということです。STEP4で文字やレイアウトを自分で加えているのは、デザイン上の理由に加えて、人間が創作的な表現を加えた部分については著作権保護が認められる可能性があるためです。ただし、既製のフォントでタイトルを載せただけで、AI画像そのものに著作権が発生するとは限らない点には注意が必要です。

フランス:利用者側にも権利侵害のリスクがある

フランスの弁護士ネットワークの記事では、画像生成AIのサービスは生成物のオリジナリティについての保証を除外していて、第三者の権利を侵害した場合も含めて、画像の使い方の責任は利用者だけが負うと指摘されていました。ヨーロッパでは、AIの学習に著作物を使うことの適法性について欧州司法裁判所の判断が待たれている段階だそうです。

出典:Eurojuris France(フランス)「Images générées par une intelligence artificielle (IA): peut-on librement les utiliser ?」
https://www.eurojuris.fr/articles/images-generees-par-intelligence-articifielle-utilisation-43743.htm

日本:「類似性」と「依拠性」がポイント

日本では、文化庁がAIと著作権についての考え方やチェックリストを公表しています。AIで作った画像を使う段階では、通常の著作権侵害と同じく、既存の作品と似ているか(類似性)、既存の作品をもとにしているか(依拠性)で判断されます。

非デザイナーが特に気をつけたいのが、文化庁のチェックリストにある次の指摘です。プロンプトに既存の作品のタイトルやキャラクター名などの固有名詞を入れると、その作品を認識していたと推認されやすくなり、依拠性が認められやすくなるとされています。また、依拠性がないことを説明できるよう、プロンプトなど生成の過程を確認できる状態にしておくよう努めることも勧められています。STEP5の記録は、まさにこのためです。

出典:文化庁(日本)「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/seisaku/r06_02/pdf/94089701_05.pdf

Midjourney自体も訴訟の真っ最中

もう1つ知っておきたいのが、Midjourneyが大手映画会社から訴えられている件です。アメリカの業界紙によると、ディズニーやユニバーサル、ワーナー・ブラザースが2025年にMidjourneyを著作権侵害で提訴し、Midjourneyはフェアユースを主張して争っています。2026年7月には、映画会社側のAI利用について情報開示を求めるMidjourneyの動きも報じられました。

出典:Variety(アメリカ)「Midjourney Seeks to Reveal Studios’ Use of AI in High-Stakes Copyright Battle」
https://variety.com/2026/film/news/midjourney-studios-ai-copyright-discovery-1236800902/

2025年11月にはディズニー側とワーナー・ブラザース側の訴訟が統合され、2026年に入っても証拠開示などの手続きが続いています。2026年10月時点で、Midjourneyが著作権を侵害したかどうかについての最終的な司法判断は出ていません。

出典:Forensis Group(アメリカ)「Disney and Universal v. Midjourney: U.S. Generative AI Copyright Litigation Over Image Training and Outputs」
https://www.forensisgroup.com/resources/expert-legal-witness-blog/disney-and-universal-v-midjourney-u-s-generative-ai-copyright-litigation-over-image-training-and-outputs
The World of AI(アメリカ)「Disney Enterprises, Inc. and Universal v. Midjourney, Inc.」
https://theworldofai.org/ai-lawsuits/disney-universal-warner-v-midjourney/

訴訟の結果がどうなるかはまだ分かりませんが、利用者として特に避けたいのは、既存作品のキャラクターやブランド、実在の人物を明確に再現するような生成です。こうした使い方を避けるだけで、著作権や肖像・商標などに関する代表的なリスクの一部を減らせます。

AI画像の表示ルールも広がっている

最後に、AIで作ったことを表示するルールの話です。こちらは国によって状況がかなり違います。

EUでは、AI規則(AI Act)第50条の透明性に関する義務が2026年8月2日から適用されています。特に、実在の人物・物・場所・出来事などを本物らしく見せる「ディープフェイク」については、AIで生成・加工されたことを開示する義務があります。ドイツの中小企業向け支援機関の解説では、完全に架空の人物でもリアルに見えれば対象になり得ると紹介されていました。一方、明らかに創作的・芸術的・フィクションなどの作品については、開示の方法に一定の例外が設けられています。

出典:EU Artificial Intelligence Act(EU)「Artikel 50: Transparenzpflichten für Anbieter und Betreiber bestimmter KI-Systeme」
https://artificialintelligenceact.eu/de/article/50/
Mittelstand-Digital Zentrum Berlin(ドイツ)「So kennzeichnen Sie KI-generierte Texte und Bilder (mit Beispielen & EU-Icons)」
https://digitalzentrum-berlin.de/leitfaden-ki-generierte-inhalte-kennzeichnen

中国ではさらに早く、2025年9月1日から、「人工知能生成合成内容標識弁法」が施行されています。AIで生成した文章・画像・動画などに、文字や図形などで目に見える「明示的な標識」と、ファイルのメタデータなどに埋め込む「暗黙的な標識」を付けることを求める制度です。

出典:新华网(中国)「9月1日起AI生成合成内容必须添加标识」
http://www.news.cn/tech/20250319/a572ec4366f149c1b0b04a07ebf4931b/c.html

こうした状況を踏まえると、「イラストだから表示はいらない」と一律に判断するのは避けたほうがよさそうです。筆者は、記事の最後に「アイキャッチはMidjourneyで生成」と一言入れるようにしています。読者に対して正直でいられますし、海外からのアクセスがあっても安心です。

筆者の公開前チェックリスト

ここまでの内容を、筆者が公開前に確認しているチェックリストにまとめました。

  • 有料プランで生成したか(会社の売上が100万ドルを超えるならPro以上か)
  • 有名なキャラクター、ブランド、実在の人物に似ていないか
  • プロンプトに作品名やキャラクター名、作家名を入れていないか
  • 画像検索などで、既存の作品と明らかに似たものがないか(何も出なくても侵害でないとは限らない)
  • Midjourneyにアップロードした元画像や参考画像は、使う権利があるものか
  • プロンプト・シード値・生成日を記録したか
  • 写真のようにリアルな人物や場所なら、AI生成であることを表示したか

文化庁も、AI生成物を使う前にまず既存の作品と似ていないかを確認することが重要だとしています。画像検索は数十秒で終わるので、習慣にしてしまうのがおすすめです。

Midjourney入門連載

  1. 第1回Midjourneyの使い方入門
  2. 第2回プロンプトの書き方と「型」
  3. 第3回パラメータの使い方を検証
  4. 第4回sref・ムードボード・パーソナライズで絵柄を統一する
  5. 第5回Edit機能で部分修正と同じキャラの再登場に挑戦
  6. 第6回静止画を動かす、Midjourneyの動画生成
  7. 第7回アイキャッチ量産の実践ワークフローと商用利用の注意点(この記事)

まとめ

Midjourney入門連載の最終回として、アイキャッチを量産するワークフローと商用利用・著作権の注意点をまとめました。ワークフローは、型とスタイルコードでテンプレートを作り、SDで回して選び、Editで直し、HDで仕上げて文字を載せ、最後にプロンプトと生成日を記録する流れです。商用利用は有料プランなら規約上認められていますが、売上100万ドルを超える企業はPro以上が必要です。ただし「使ってよい」と「著作権で守られる」は別の話で、アメリカではプロンプトだけでは通常著作権は認められず、フランスでは利用者側にも権利侵害のリスクがあると指摘され、日本では類似性と依拠性がポイントになります。既存のキャラクターやブランド、実在の人物を明確に再現するような生成を避け、作品名などの固有名詞を安易に入れず、生成過程の記録を残しておくことが、リスクを抑えるうえで重要です。EUや中国ではAI画像の表示ルールも始まっています。全7回、お付き合いいただきありがとうございました。次はNano Bananaの連載でお会いしましょう!

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