ツール・ワークフロー

動画生成AIのカメラワークはプロンプトで決まる!非デザイナーでも使える基本12種と失敗しない書き方【日本語・英語プロンプトサンプル付き】

2026年9月26日 (更新: 2026年9月28日)

画像生成AIでせっかくいい感じの1枚絵ができたので、「よし、これを動画にしてみよう」と画像から動画(image to video)に放り込んでみたところ……。

勝手にグイーンとズームして、なぜかカメラがぐるっと回り込み、最後は人物の顔がちょっと溶けている。いや、そこまで頑張らなくていいのよ、と思わずツッコんでしまいました笑

原因はほぼ「カメラワークをプロンプトで指定していなかった」ことに尽きました。ありがた迷惑とはまさにこのことです。

というわけで今回は、映像の専門知識がない非デザイナーの方(筆者もそっち側です)に向けて、動画生成AIで使えるカメラワークのプロンプトを、日本語・英語の両方でまとめてみました。アメリカ、フランス、ドイツ、中国のサイトで見つけた書き方のクセも紹介します。

Table of Contents

そもそも動画生成AIの「カメラワーク」って何?

画像生成AIとの一番の違いは「時間」があること。動画には「誰が動くか」と「カメラがどう動くか」が加わります。

被写体の動きとカメラの動きは別モノ

たとえば「女性が歩いている」は被写体の動き。「カメラが女性の後ろをついていく」はカメラの動きです。この2つをごちゃ混ぜに書くと、全部がちょっとずつ動く、ぬるっとした映像になりがちです。

プロンプトを書くときは、被写体の動作とカメラの動作を別の文に分けて書く。これだけでだいぶ意図が伝わりやすくなります。

指定しないとAIが勝手にカメラを動かす

国内の生成AI講座を連載しているMAGの記事でも、カメラの固定を指定しないと動画生成AIが勝手にズームやパンを入れてしまう、という点が指摘されていました。演出意図がなければ固定のほうが安定した印象になる、とも。AIの親切心が、非デザイナーにとっては事故の元なんですよね……。

まず覚えたい基本のカメラワーク12種【日英プロンプト付き】

映像業界のカメラワーク用語を、プロンプト例とセットで紹介します。英語プロンプトはRunway・Kling・Veoなど海外サービス向けです。海外系ツールでは、カメラワーク部分だけでも英語のほうが安定する印象です。

固定(フィックス)Static shot

カメラを一切動かさず、同じ画角をキープします。地味ですが一番使う指定です。表情や仕草を見せたいならまずこれ。

日本語プロンプトカメラは三脚で固定。窓辺に座った女性がゆっくりと顔を上げ、外の景色を見つめる。やわらかな朝の光。英語プロンプト(海外サイト用)Static shot, the camera is locked off on a tripod. A woman sitting by the window slowly raises her head and gazes outside. Soft morning light.

ドリーイン/ドリーアウトDolly in / Dolly out

カメラ自体がレールに乗って被写体に近づく(離れる)動きです。奥行きが出るので、感情が高まる場面にぴったりです。

日本語プロンプトカメラがゆっくりと前進し、背景のネオンがわずかに流れる。英語プロンプト(海外サイト用)Slow dolly in toward a woman standing in a rain-soaked shopping street. The neon signs in the background drift gently with parallax.

ズームイン/ズームアウトZoom in / Zoom out

カメラの位置は変えずに、レンズの画角だけで寄ったり引いたりします。「覗き込む」感覚に近い動きです。

日本語プロンプトカメラの位置は固定したまま、レンズがゆっくりズームイン英語プロンプト(海外サイト用)The camera stays in place while the lens slowly zooms in on the steam rising from a coffee cup on the table.

パンPan left / Pan right

カメラの位置はそのままで、首を左右に振る動きです。場所の紹介に向いています。

日本語プロンプトカメラがゆっくりと右にパンし、木々をゆっくり映していく英語プロンプト(海外サイト用)The camera slowly pans right, revealing a seaside town at dusk. Smooth and stable movement.

ティルトTilt up / Tilt down

パンの縦バージョンで、首を上下に振ります。「見上げる」演出で登場感が出せます。

日本語プロンプトカメラが足元からゆっくりとティルトアップし、制服姿の少年の顔を映す。英語プロンプト(海外サイト用)The camera slowly tilts up from his feet to reveal the face of a boy in a school uniform.

トラッキング(フォロー)Tracking shot / Follow shot

動く被写体をカメラが追いかけます。「一緒に歩いている」感覚が出るので、Vlog風の動画と相性抜群です。

日本語プロンプトカメラが後ろから追いかけ、石畳の路地を歩く三毛猫についていく。英語プロンプト(海外サイト用)Tracking shot from behind, the camera follows a calico cat walking down a cobblestone alley.

トラック(横移動)Truck left / Truck right

カメラ自体が真横にスライドする動きです。パンは首振り、トラックは体ごと横移動、と覚えておきましょう。

日本語プロンプトカメラが左へ真横にスライドし、本棚に並ぶ本の背表紙を順に映していく。英語プロンプト(海外サイト用)The camera trucks left, sliding sideways past the spines of books lined up on a shelf.

オービット(回り込み)Orbit / Arc shot

被写体を中心に、カメラがぐるっと回り込みます。商品紹介でよく見るやつですね。冒頭の事故映像も、頼んでもいないのにこれをやられていました笑

日本語プロンプト白い台座に置かれたスニーカーの周りを、カメラがゆっくりと半周回り込む。スタジオ照明。英語プロンプト(海外サイト用)The camera slowly orbits halfway around a sneaker placed on a white pedestal. Studio lighting.

クレーンアップ/クレーンダウンCrane up / Crane down

カメラが高く上昇したり、上から降りてきたりする動きです。エンディング感がグッと出ます。

日本語プロンプトカメラが女性の肩越しからゆっくりと上昇し、昼の街全体を見下ろすハイアングルになる。英語プロンプト(海外サイト用)Crane up from over the woman's shoulder, rising slowly to a high-angle view of the entire city at night.

ハンドヘルド(手持ち)Handheld

ドキュメンタリー感が出ますが、揺らしすぎるとグニャっとしやすいので「わずかに」を添えましょう。

日本語プロンプト手持ちカメラのわずかな揺れ。駅のホームで電車を待つ男性を、少し離れた位置から撮影する。英語プロンプト(海外サイト用)Handheld camera with subtle shake, filming a man waiting for a train on a platform from a short distance.

ドローン空撮Aerial shot / Drone shot

オープニングにぴったり。被写体を1つ決めて追いかけさせると画に意味が出ます。

日本語プロンプトドローン空撮。紅葉に囲まれた山道を走る一台の赤い車を、上空から追いかける。英語プロンプト(海外サイト用)Aerial drone shot following a single red car driving along a mountain road surrounded by autumn leaves.

ドリーズーム(めまいショット)Dolly zoom / Vertigo effect

カメラは前進しながらレンズは引く(またはその逆)ことで、人物の大きさはそのままなのに背景だけがグワッと伸び縮みする技法です。再現できないツールも多い上級編ですが、ハマると一発で映画っぽさが出る伝家の宝刀です。

日本語プロンプトドリーズーム。廊下の奥に立つ男性の大きさは変わらず、背後の廊下だけが引き伸ばされていく。張りつめた雰囲気。英語プロンプト(海外サイト用)Dolly zoom (vertigo effect). The man standing at the end of the hallway stays the same size while the corridor behind him stretches away. Tense atmosphere.

ズームとドリーの違いを知っておくとワンランク上がる

正直に言うと、筆者はこの記事を書くまで「ズームインとドリーインって同じでしょ?」と思っていました……。

フランスのAIクリエイティブ系メディアcreativeai.frの解説によると、ズームはカメラ本体が同じ場所にいたまま画角が狭まる・広がるだけなのに対し、ドリーはカメラと背景の空間的な関係そのものを変える動きだそうです。そのため、光学的に寄る感覚が欲しいなら「the lens zooms in」、視点ごと近づきたいなら「the camera moves closer」や「slow dolly in」と書き分けると良い、と紹介されていました。

非デザイナー的には、「近づきたい」ならドリー、「覗き込みたい」ならズームと覚えておけばOKです。

失敗しないカメラワークプロンプトの書き方5つのコツ

用語を覚えただけでは、まだ半分。国内外のガイドを読み比べて見えてきたコツをまとめます。

1ショットにカメラの動きは1つだけ

これが一番大事です。アメリカのRunwayが公開している公式ガイド「Gen-4 Video Prompting Guide」では、猫がドラゴンに変身しながら森を駆け、カメラが360度回転して水中にズームし……という盛りすぎのプロンプトをNG例として挙げ、1つのシーンの動きをシンプルに書くほうがモデルの力が発揮されると説明しています。

ドイツ語圏のLimaxAIブログでも、矛盾する動きを1つのプロンプトに入れるのは避け、メインの動きを1つに絞るほうが安定すると書かれていました。国内のComfyStudioも同様で、国をまたいで同じことを言っているので、これはもう鉄則です。

「〜しない」ではなく「〜する」で書く(ホントにやったらNGな書き方)

画像生成AIのネガティブプロンプトの感覚で「カメラを動かさないで」と書きたくなりますが、これが意外な落とし穴。Runwayのガイドでは、動画で起きてほしいことを書くよう設計されていて、否定形はサポートされておらず、予測不能だったり逆の結果になることもあると明記されています。NG例として挙がっていたのが、まさに「No camera movement.」でした。

NG(否定形)カメラを動かさないで。ズームしないで。OK(肯定形・日本語)カメラは三脚で固定され、画角は最後まで変わらない。OK(肯定形・英語)Static shot. The camera remains perfectly still on a tripod for the entire clip.

画像から動画にするなら「見た目」より「動き」を書く

画像生成AIで作った1枚絵を動かす場合、つい画像を作ったときのプロンプトをそのままコピペしがちです。でも、Runwayの「Image to Video Prompting Guide」では、画像にすでに写っている要素を説明するより、シーンの動きを書くことに集中すべきだとしています。筆者の失敗動画も、画像のプロンプトを貼り付けたせいで動きの指示がほぼゼロでした。そりゃAIも好き勝手やりますよね……。

スピードを表す言葉を1つ添える

フランスのDeepDiveによるカメラワークのガイドでは、速すぎるパンはアーティファクト(破綻)を生み、背景が溶けたようになる原因になるため、「ゆっくり」「なめらか」「シネマティック」といった言葉を必ず添えるよう勧めていました。

冒頭で顔が溶けていたのも、たぶんこれが原因です。「ゆっくり」「なめらかに」の一言は、ほぼ保険として毎回入れておくくらいでちょうどいいと思います。

カメラワークは文の先頭に置く

ドイツ語で書かれたEaston DevのVeo 3解説記事では、GoogleのガイドラインでもカメラをAIに動かしてほしいならプロンプトではっきり言う必要がある、と紹介されていました。さらに、カメラの動きを独立した一文としてプロンプトの先頭に置くと、指示どおりに動く確率が上がるとも書かれています。

実戦検証:同じ1枚絵でカメラワークの書き方だけ変えてみる

ここからは実戦形式です。画像生成AIで作った「雨上がりの夜の商店街に立つ女性」の1枚絵を使って、image to videoでカメラワークの書き方だけを変えた3パターンを比べてみましょう。

パターン1:ふわっとお任せ(NG)

日本語プロンプトダイナミックでかっこいい映像にして。英語プロンプト(海外サイト用)Make it dynamic and cool.

何をどう動かすのかが一切書かれていないパターンです。国内のComfyStudioの記事でも「ダイナミックに」のような曖昧な表現はモデルが解釈できないと指摘されていて、ズーム・回転・被写体の動きが全部盛りになりやすい書き方です。冒頭の事故映像は、ほぼこれでした。

パターン2:カメラワークを1つだけ指定

日本語プロンプトカメラがゆっくりと前進し、女性に近づいていく。女性は静かにこちらを振り返る。英語プロンプト(海外サイト用)The camera slowly dollies in toward the woman. She quietly turns to look back at the camera.

カメラの動き(ドリーイン)を1つ、被写体の動き(振り返る)を1つ、速度(ゆっくり)を1つ。ここまでのコツを全部入れたシンプルな形です。見た目の説明は画像に任せて、テキストは動きだけに使っています。

パターン3:時間の流れで動きを分ける

日本語プロンプト最初はカメラ固定。女性が静かに振り返り、その後カメラがゆっくりと前進して顔のアップになる。英語プロンプト(海外サイト用)Static shot at first. The woman quietly turns around, then the camera slowly dollies in to a close-up of her face.

「固定→ドリーイン」と、同時ではなく順番にカメラの動きを変えるパターンです。Runwayの公式ヘルプでは、最新のGen-4.5は順序立てた指示や細かいカメラの振り付けを1つのプロンプト内で理解するのが得意だと説明されています。

ただし、これはモデルの性能次第。古いモデルや別のツールで意図どおりにならない場合は、無理せず2本の動画に分けて生成し、編集でつなぐほうが結果的に早いです。筆者も「1本で全部やらせよう」と粘って、クレジットをけっこう溶かしました……。

海外ではどう書いてる?国別カメラワーク事情

基本は共通していますが、国ごとに微妙に「推し」が違って面白かったです。

アメリカ:「動き中心・肯定形・シンプル」を徹底

動画生成AIの先駆けであるRunwayの公式ガイドは、ここまで紹介したとおり「動きを書く」「否定形を使わない」「シンプルに」の3点を一貫して推しています。会話的な挨拶や説明はプロンプトの無駄遣いになる、という指摘もあり、ChatGPTに話しかけるノリで書くクセがある人は要注意です。

フランス:ズームと移動をきっちり分ける映画の国

さすが映画の国というべきか、フランスのサイトは映像理論の話が濃いめでした。creativeai.frでは、同じ人物でも固定、トラベリング(前進移動)、オービットで撮ると語られる物語が変わる、という視点でカメラワークを解説しています。「カメラの動きで感情をつくる」という発想は、非デザイナーこそ知っておくと表現の幅が広がります。

ドイツ:カメラ用語を「トークン」として整理

ドイツのAI Imagelabでは、Static Shot、Pan、Zoomといったカメラ用語を「Prompt Tokens」としてリスト化していました。単語を部品のように組み合わせる、きっちりしたアプローチです。

中国:「推・拉・揺・移・跟」の漢字で覚える

中国ではKling(可灵)や即梦など国産の動画生成AIが強く、カメラワークを「运镜(運鏡)」と呼んでいます。人人都是产品经理の記事では、固定・推・拉・移・摇・手持・升降・环绕の8種類をテンプレート付きで紹介していて、被写体を追いかけたいなら「镜头跟随(カメラが追従)」の4文字を入れるだけ、と書かれていました。

また、知乎(Zhihu)にまとめられたKling公式チュートリアルでは、景別やアングルなどの「镜头语言(映像表現)」と、カメラの動きである「运镜控制」を区別して書くよう注意書きがありました。Klingや即梦を中国語で使う方向けに、対応表を作っておきます。

中国語日本語英語プロンプト
固定镜头固定Static shot
推镜头ドリーインPush in / Dolly in
拉镜头ドリーアウトPull out / Dolly out
摇镜头パン・ティルトPan / Tilt
移镜头トラック(横移動)Truck left / right
镜头跟随トラッキング(フォロー)Tracking shot / Follow
升降镜头クレーンCrane up / down
环绕镜头オービットOrbit
手持镜头ハンドヘルドHandheld

コピペで使える!カメラワーク入りプロンプトの型

迷ったらこの順番で埋めていけば、大きく外すことはないはずです。

日本語テンプレート[カメラワーク]、[速度]。[被写体]が[動作]。[場所・光]。[雰囲気]。英語テンプレート(海外サイト用)[Camera movement], [speed]. [Subject] [action]. [Setting and lighting]. [Mood].

たとえば、商品紹介動画ならこんな感じです。

日本語プロンプトカメラがゆっくりと半周回り込む。木のテーブルに置かれた腕時計の秒針が静かに進む。やわらかなスタジオ照明。上品で落ち着いた雰囲気。英語プロンプト(海外サイト用)The camera slowly orbits halfway around. The second hand of a wristwatch on a wooden table ticks quietly. Soft studio lighting. Elegant and calm mood.

画像から動画にする場合は、[場所・光]の部分はバッサリ削ってOK。見た目は画像がすでに語ってくれているので、そのぶん動きの説明に文字数を使いましょう。

参考・引用サイト

まとめ

動画生成AIで「思っていたのと違う」動画ができてしまう原因の多くは、カメラワークをプロンプトで指定していないことにあります。何も書かなければ、AIは気を利かせて勝手にズームしたり回り込んだりしてしまうからです。

まずは固定、ドリー、パン、オービットなど基本のカメラワークを日本語と英語でセットで覚え、1ショットにカメラの動きは1つだけに絞りましょう。「動かさないで」のような否定形は避けて「三脚で固定」のように肯定形で書くこと、画像から動画にするなら見た目より動きを書くこと、そして「ゆっくり」「なめらかに」といった速度の言葉を添えることも大切です。アメリカ、フランス、ドイツ、中国のガイドを見比べても、この基本はほぼ共通していました。

カメラワークの用語は、覚えてしまえば一生使える非デザイナーの武器になります。まずはお気に入りの1枚絵で、カメラワークだけを変えて何本か生成してみてください。筆者のようにクレジットを溶かしすぎないようにだけ、ご注意を笑

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