ブログを書いていて地味に時間を食われるのが、記事のアイキャッチ画像づくりだったりします。筆者もずっとフリー素材サイトを漁っては「なんか違う……」を繰り返していた人間で、結局どの記事も似たような雰囲気になりがちでした。
最近は画像生成AIがかなり実用レベルになってきたので、今回は実際に手を動かして「Nano Banana」と「Midjourney」の2つでブログのアイキャッチを作ってみました。同じプロンプトを投げて結果を比べつつ、それぞれの得意・不得意やコツもまとめています。デザインソフトが使えなくても、プロンプトさえ書ければアイキャッチは作れる時代になったなと素直に思いました。
そもそもNano BananaとMidjourneyって何が違うの?
両方とも「画像生成AI」と一括りにされがちですが、筆者が触ってみた感触としては、けっこう性格が違うツールです。まずはざっくりとした違いを整理しておきます。
Nano Banana(Gemini)は「編集」と「文字入れ」が強い
Nano BananaはGoogleのGemini上で使える画像生成・編集モデルの通称です。単に新しい画像を作るだけでなく、アップロードした写真の背景だけを差し替えたり、人物の表情や服装を保ったまま別のシーンに置き換えたりといった、いわゆる「編集」が得意なのが特徴です。
特にアイキャッチ作りで地味にありがたいのが、画像内にテキストを正確に描き込める点です。海外の比較記事でも、Nano Banana系のモデルはテキスト精度が非常に高いことが繰り返し指摘されていて、あるベンチマークではテキスト描画の正確さが90%台に達している一方、Midjourneyは大きく見劣りするという結果も出ています。フランスの比較記事でも、Nano Bananaは写実的で被写体の一貫性が保ちやすく、プロンプトによる高度な編集や多言語対応が強みだとされていました。
タイトル文字を画像に直接焼き込みたい、商品写真をそのまま使ってアイキャッチにしたい、というようなケースはNano Bananaのほうが圧倒的にラクです。
Midjourneyは「雰囲気」と「アート性」で頭ひとつ抜けている
一方のMidjourneyは、昔からずっと「絵として美しい画像を作る」ことに強いツールです。ドイツの比較記事でも、シネマティックな光の演出や絵画的な質感、雰囲気のあるビジュアルという点では依然としてMidjourneyが基準になっていると評されています。コンセプトアートやムードボード、ブックカバーのような「世界観を見せる」用途に向いているとされ、実際の作例を見てもその路線での完成度の高さは納得できます。
逆に言うと、画像内に正確な文字を入れるのはMidjourneyが苦手とする部分で、タイトルやロゴなどの文字要素が入るプロンプトでは、文字が歪んだり誤字になったりしやすいという指摘があります。YouTubeサムネイル制作のガイドでも、Midjourneyでの文字入れは避けたほうがいいと明言されているくらいです。
結局どっちを使えばいいの?
筆者なりの結論としては、こんな使い分けが現実的だと感じています。
- タイトル文字を画像内に入れたい、商品写真や自分の写真をベースにしたい → Nano Banana
- 雰囲気重視のイラスト調・写真調のビジュアルを作りたい、文字はあとからCanvaなどで乗せる → Midjourney
中国語圏の記事でも「Midjourneyはゼロから創造的なビジュアルを作るのが得意、Nano Bananaは実在の写真を正確に一貫性を保って編集するのが得意」と、役割がはっきり分かれていることが繰り返し語られていました。この住み分けは実際に触ってみても納得感があります。
【実践】同じプロンプトで2つのツールを比較してみた
百聞は一見にしかずということで、実際に同じ内容のプロンプトを両方に投げて、結果がどう変わるか試してみました。今回のお題は「画像生成AIをテーマにしたブログ記事用のアイキャッチ」です。
使用したプロンプト(日本語)
ノートパソコンの画面から光が溢れ出し、そこから抽象的な絵画やイラストが飛び出してくるようなシーン。クリエイティブでワクワクする雰囲気。柔らかい光と鮮やかな色使い、フラットデザイン寄りの現代的なイラストスタイル、ブログのアイキャッチとして使える横長構図
English Prompt(海外サイト用)
A laptop screen glowing with soft light, from which abstract paintings and illustrations are bursting out into the air. Creative and exciting atmosphere, soft lighting, vivid colors, modern flat-design illustration style, wide horizontal composition suitable for a blog featured image
Nano Banana側のポイント

Nano Banana(Gemini)で試す場合は、プロンプトの最後に出力サイズやアスペクト比の希望を明記しておくと、余計なトリミングをしなくて済みます。Googleの公式ブログでも、被写体・構図・光の当て方までプロンプトに具体的に書き込むことが推奨されており、「誰が・何を・どんな光で」を丁寧に説明するほど狙った仕上がりに近づくとされています。

実際に生成してみると、指定した「フラットデザイン寄り」という要望がかなり忠実に反映され、色味も鮮やかで扱いやすい仕上がりでした。プロンプトへの追従度が高いぶん、狙った通りの構図になりやすい印象です。
Midjourney側のポイント

Midjourneyの場合は、プロンプト末尾にパラメータを付け足すのが基本の型です。ブログのアイキャッチのような横長画像なら、末尾に --ar 16:9 を付けるのが定番で、YouTubeサムネイル制作のガイドでも同様の設定が推奨されています。スタイルの強さを決める --s(stylize)は、写実寄りにしたいなら低め、絵画的にしたいなら高めに振るとコントロールしやすくなります。

実際に生成した結果は、Nano Bananaよりも明らかに「絵として見栄えがする」仕上がりでした。光の表現や色のグラデーションに独特の深みがあり、いかにもプロが描いたようなアート性を感じます。ただし、同じプロンプトでも生成のたびに雰囲気がかなり変わるため、狙った構図にぴったり合わせるには複数回の生成が前提になる印象です。
比較して分かったこと
並べてみると、Nano Bananaは「指示通り」、Midjourneyは「想像以上に綺麗だけど時々予想外」という言葉がしっくりきます。ドイツの比較記事でも、Midjourneyはプロンプトをあえて自由に解釈し、厳密な忠実性よりも美しさを優先する傾向があると分析されていて、これは筆者の体感ともかなり一致していました。
「絶対にこの構図にしたい」という要望が強いならNano Banana、多少ブレてもいいから一枚だけ突き抜けて綺麗な画像が欲しいならMidjourney、というのが実践してみた上での感覚です。
ブログのアイキャッチ向けプロンプトを書くときのコツ
ここからは、実際に何十枚も生成してみて気づいた、アイキャッチ作りに効くプロンプトのコツをまとめます。
1. 構図は「横長」を最初から指定する
ブログのアイキャッチはほとんどの場合16:9か、それに近い横長比率で使うことになります。Midjourneyなら --ar 16:9、Nano Bananaならプロンプト内で「横長構図」「16:9のブログアイキャッチ用」のように明記しておくと、後からのトリミングで主要な被写体が切れてしまう事故を減らせます。
Midjourneyのアスペクト比については誤解が多いポイントで、「最大2:1まで」という古い情報がいまだに出回っていますが、現行のバージョンでは標準解像度で14:1まで対応しています。とはいえブログのアイキャッチなら16:9か、SNSシェアも意識するなら4:5や1:1も用意しておくと汎用性が上がります。
2. 「誰が・どこで・どんな光で」を具体的に書く
これは筆者が一番効果を実感したポイントです。「綺麗な画像」「クリエイティブな感じ」のような抽象的な言葉だけを並べても、AIはなんとなくの解釈しかしてくれません。Googleのプロンプトガイドでも、照明の当て方(スタジオ照明なのか、ドラマチックな逆光なのか)まで具体的に指定することで、仕上がりが劇的に変わると説明されています。Midjourneyのプロンプト集でも同様に、「光の指定は画像の半分を決めるようなもの」と強調されていました。
「主体+場面+光+スタイル+細かい質感」の5点セットで組み立てると、驚くほどブレが減ります。これは中国語圏の解説記事でも「主体・シーン・光影・スタイル・ディテール、どれか一つでも欠けると失敗しやすい」と同じ順番で紹介されていて、洋の東西を問わず共通する型のようです。
3. あいまいな美化ワードより「情報量」で攻める
「beautiful」「stunning」「masterpiece」のような、いわゆる映え系ワードをただ並べるだけのプロンプトは、実はあまり機能しません。あるMidjourneyプロンプト集の解説では、v7はハイプワードの羅列ではなく、具体的な情報を欲しがるモデルだと明言されています。「綺麗に」と書く代わりに、光の向き、時間帯、カメラの距離感などを書いたほうが結果的に見栄えのいい画像になりやすいという、ちょっと逆説的な感覚があります。
4. 文字を入れたいならNano Banana、入れないならMidjourneyでも可
アイキャッチにブログタイトルを直接焼き込みたい場合は、素直にNano Banana系を使うのが近道です。Nano Bananaはテキストレンダリングの精度で高い評価を得ていて、実際に日本語の見出し文字を入れてみても、崩れずに読める仕上がりになることが多いです。
Midjourneyで文字入れをどうしてもやりたい場合は、短い単語(1〜2語)に留めるのが無難です。長い文章を画像内に正確に描かせるのはMidjourneyの弱点として広く知られています。タイトルは後からCanvaやPhotoshopで載せる前提にして、Midjourneyには「文字なしの背景素材」として割り切って使うのも一つの手です。
5. 一発で決めようとしない
特にMidjourneyは確率的な要素が強いツールなので、1回の生成で理想の画像が出ることはあまり期待しないほうがいいです。海外のガイドでも「Midjourneyは確率的だから、3〜4回目の生成のほうが当たりやすい」とはっきり書かれていて、これは筆者も強く同意するところです。最初の1枚で「イマイチだな」と思っても、同じプロンプトのまま数回生成し直してみると、当たりが出ることが多いです。
実際に使ってみて感じたメリット・デメリット
Nano Bananaのメリット・デメリット
メリットは、なんといっても指示への忠実さと、文字入れの正確さです。仕事で「このロゴ入りでこの構図」のように具体的な要望が決まっている場合、Nano Bananaのほうが狙い通りの結果にたどり着くまでの時間が短い印象でした。フランスの比較記事でも、Nano Bananaは編集の一貫性の高さが評価されていて、同じ被写体で背景だけを何パターンも作るような用途では圧倒的に強いとされています。
デメリットとしては、Midjourneyほどの「芸術的な飛躍」は出にくいという点です。実用的で破綻の少ない画像は作れますが、「思いもよらない美しさ」に出会える確率はMidjourneyより低い印象を受けました。
Midjourneyのメリット・デメリット
メリットは圧倒的な絵作りのクオリティです。同じ内容のプロンプトでも、Nano Bananaより「作品」に近い仕上がりになることが多く、ブログのアイキャッチとしてはむしろ目を引く要素として機能します。
デメリットは、文字入れの弱さと、意図通りの構図に寄せるまでの試行回数がかさみやすい点です。時間をかけずにサクッと1枚欲しいときには、少し不向きに感じる場面もありました。
まとめ
Nano BananaとMidjourneyを同じプロンプトで比較してみると、それぞれの個性がくっきり見えてきました。指示に忠実で文字入れも得意なNano Banana、多少ブレても圧倒的な雰囲気の良さを出してくれるMidjourney。どちらが優れているというより、作りたいアイキャッチのタイプによって使い分けるのが正解だと感じています。プロンプトを書くときは「主体・場面・光・スタイル」を具体的に言葉にすること、そして一発で決めようとせず何度か生成し直すことが、非デザイナーでも見栄えのするアイキャッチにたどり着く一番の近道でした。次はNano Bananaで下地を作り、Midjourneyで雰囲気を足すような組み合わせ使いも試してみたいと思っています。