前回の第1回では、Midjourneyの登録から最初の1枚を作るところまでをまとめました。で、実際に何枚か作ってみると、次にぶつかるのがこの壁です。「なんか、思ってたのと違う……」
僕も最初の頃は、頭に浮かんだイメージを思いつくまま全部書き込んで、出てきた画像を見て首をかしげる、を延々と繰り返していました。書けば書くほど良くなると思っていたんですよね。ところがMidjourneyの公式ドキュメントを読み直してみたら、むしろ逆のことが書いてあって、ちょっと衝撃でした。
連載第2回の今回は、Midjourneyのプロンプトの書き方がテーマです。公式ドキュメントに加えて、アメリカ・フランス・ドイツ・中国・日本の解説記事を読み比べて、非デザイナーでもそのまま使える「型」に整理してみました。
公式のおすすめは「短くシンプル」
Midjourneyの公式ドキュメントには、短くてシンプルなプロンプトのほうが良い画像になりやすい、とはっきり書かれています。長いリストや細かい指示を並べると、かえって混乱させてしまうそうです。
公式で紹介されている例がわかりやすかったので、日本語に置き換えて紹介します。「カリフォルニアポピーがたくさん咲いている絵を見せて。明るく鮮やかなオレンジにして、色鉛筆のイラスト風に描いて」のような、人にお願いするような文章はNG。代わりに「色鉛筆で描いた、明るいオレンジのカリフォルニアポピー」のように、完成した絵を一言で説明するように書くのが良いとされています。
出典:Midjourney(アメリカ)「Prompt Basics」
https://docs.midjourney.com/hc/en-us/articles/32023408776205-Prompt-Basics
ポイントは「お願い」ではなく「説明」で書くこと。ChatGPTのようなチャットAIに慣れていると、ついつい「〜してください」と書きたくなるのですが、Midjourneyには完成した画像のキャプションを渡すイメージで書くとうまくいきます。
非デザイナーが最初に覚えるプロンプトの「型」
とはいえ、「短く書け」と言われても、何を書いて何を削ればいいのかが分からないのが非デザイナーのつらいところです。そこで役に立つのが、公式ドキュメントで紹介されている7つの要素です。公式は「この順番で書け」と決めているわけではないので、この記事では使いやすさを優先して「被写体→表現方法→場所→光→色→雰囲気→構図」という順番に整理してみます。
| 要素 | 考えること | 英語の例 |
|---|---|---|
| 被写体 | 誰が・何が? | a cat, an old bookstore |
| 表現方法 | 写真?イラスト? | photo, watercolor illustration |
| 場所 | どこで? | indoors, in the city, underwater |
| 光 | どんな光? | soft light, neon, overcast |
| 色 | どんな色味? | muted, pastel, black and white |
| 雰囲気 | どんな気分? | calm, playful, gloomy |
| 構図 | どう切り取る? | close-up, bird’s-eye view |
面白いのが、各国の解説記事を読み比べると、細かい分類や順番は少しずつ違うものの、「まず主題を書いて、そこに表現方法や光を足していく」という大枠はよく似ていることです。ドイツの解説ブログでは「主題+詳細+スタイル/表現方法+光+雰囲気」という組み立てが紹介されていて、英語のプロンプトのほうが良い結果になりやすいとも書かれていました。
出典:Kopf und Stift(ドイツ)「Midjourney Tutorial 2026: Vom Anfänger zum Profi」
https://kopfundstift.de/midjourney-tutorial/
フランスの解説記事では、良いプロンプトはキーワードの羅列ではなく小さなクリエイティブブリーフのようなもので、主題→表現方法→状況→光と画風の順に書くと良い、と説明されていました。「ブリーフ」という例えは、僕のようにデザイナーさんに仕事をお願いする側だった人間にはすごくしっくりきます。
出典:Vert-Mer(フランス)「Midjourney 2026 : Guide Essentiel, Prompts & Astuces」
https://www.vert-mer.fr/midjourney-fonctionnement-2026/
中国のAI情報サイトでも、2026年のプロンプトは「キーワードを積み上げる」やり方から「短い文で情報密度を高くする」方向に変わったとして、主体→環境→スタイル→光と構図→パラメータという組み立てが紹介されていました(2026年6月時点、V8.1を前提にした記事です)。国が違っても、考え方の大枠はかなり近いんですね。
出典:塔猴(中国)「Midjourney教程:2026年从入门到精通的完整指南(含V8.1详解)」
https://www.tahou.com/article/209672231580303365
この記事の型では「被写体を一番前」に書く
もうひとつ意識したいのが語順です。国内の解説記事では、重要度の高い要素をプロンプトの前のほうに書く方法が紹介されています。公式ドキュメントに「前にある言葉ほど強く効く」と明記されているわけではないのですが、何を描くのかを最初にはっきりさせる意味で、この記事では被写体を先頭に置く型を採用します。
出典:SHIFT AI TIMES(日本)「【271の実例】Midjourneyのプロンプトの基本やコツを完全網羅!」
https://shift-ai.co.jp/blog/9332/
また、ドイツのデザイン教育機関の記事では「主題→スタイル→構図→雰囲気→技術パラメータ」という組み立てが紹介されていて、被写体だけを書くとありきたりな見た目になりやすいので、スタイルの参照を足すのが解決策だとも書かれていました。
出典:Lazi Akademie(ドイツ)「Prompt Engineering für Kreative: Midjourney, ChatGPT und Firefly richtig nutzen」
https://www.lazi-akademie.de/blog/prompt-engineering-kreative-midjourney/
背景をたっぷり書いたあとに、最後にちょろっと「猫」と書くと、猫がすごく小さかったり、そもそもいなかったりします。筆者もこれで何度もFast時間を溶かしました……。
実践:「型」を1つずつ足していくとどうなるか
では、型を実際に使ってみましょう。ブログのアイキャッチでよく使う「カフェで作業する人」を題材に、要素を1つずつ足していきます。
STEP1:被写体だけ
日本語プロンプト
カフェでノートパソコンを使う人
英語プロンプト(Midjourney用)
a person working on a laptop in a cafe --ar 16:9

これだけでも画像は出ます。ただ、表現方法も光も決めていないので、Midjourneyのデフォルトの好みで埋められて、毎回テイストがバラバラになりがちです。
STEP2:表現方法と場所を足す
日本語プロンプト
カフェの窓際の席でノートパソコンを使う人、写真、木のテーブル、店内に観葉植物
英語プロンプト(Midjourney用)
a person working on a laptop at a window seat in a cafe, photograph, wooden table, houseplants in the background --ar 16:9

「写真」と明記するだけで、イラストっぽい画像が混ざることがぐっと減ります。場所を具体的にすると、背景の情報量も安定してきます。
STEP3:光・色・雰囲気・構図を足して完成
日本語プロンプト
カフェの窓際の席でノートパソコンを使う人、写真、木のテーブル、店内に観葉植物、午後のやわらかい自然光、落ち着いたアースカラー、静かで集中した雰囲気、斜め後ろからのミディアムショット
英語プロンプト(Midjourney用)
a person working on a laptop at a window seat in a cafe, photograph, wooden table, houseplants in the background, soft afternoon daylight, muted earthy colors, calm and focused mood, medium shot from behind over the shoulder --ar 16:9

ここまで書くと、筆者の環境では4枚のうち使いやすい画像がかなり増えました。ちなみに長さとしては、筆者はこのくらいを一つの目安にしています。これ以上足したくなったら、どれかを削って入れ替えるくらいの気持ちで調整します。…どれかを削って入れ替えるくらいの気持ちで調整します。光の指定だけで画像の印象がどれくらい変わるのかは、画像生成AIのライティング(光)プロンプト完全比較で実際の作例を並べて検証しているので、STEP3の「光」をもう一歩詰めたい方はあわせてどうぞ。構図については構図指定の記事で詳しく比較しています。
プロンプトのコツ|公式が教える言葉の選び方
公式ドキュメントには、型以外にも細かいコツがいくつか紹介されていました。非デザイナーが特に効果を感じやすいものをまとめます。
- あいまいな言葉を具体的にする:「big」より「huge」「gigantic」のように、ニュアンスがはっきりした言葉を選ぶ
- 数を決める:「cats」ではなく「three cats」、「birds」ではなく「flock of birds」のように書く
- 欲しいものを書く:「ケーキなし」と書くとケーキが出てくることがあるので、除外したいものは–noで指定する
- こだわらない部分はあえて書かない:書かなかった部分はMidjourneyが埋めてくれるので、その分バリエーションが増える
最後の「あえて書かない」は、非デザイナーほど効いてくるコツだと思います。色や構図に特にこだわりがないなら、無理に書かずにMidjourneyのセンスに任せたほうが、自分では思いつかないような良い画像が出ることがよくあります。
日本語で書く?英語で書く?筆者のやり方
第1回でも触れましたが、Midjourneyは日本語でも使えます。ただ、筆者は英語に変換して使うほうが、単語ごとのニュアンスを調整しやすいと感じています。そこで筆者は、日本語で型に沿って下書きして、ChatGPTやClaudeに英訳させる方法に落ち着きました。そのときに使っている依頼文がこちらです。
日本語(翻訳依頼用)
次の日本語を、Midjourney用の英語プロンプトに変換してください。文章ではなく、カンマ区切りの短いフレーズにしてください。被写体を先頭に置き、表現方法・場所・光・色・雰囲気・構図の順に並べてください。末尾に --ar 16:9 を付けてください。(ここに日本語の下書き)
英語(海外のAIツール用)
Convert the following Japanese text into an English prompt for Midjourney. Use short comma-separated phrases instead of full sentences. Put the subject first, then medium, environment, lighting, color, mood, and composition in that order. Add --ar 16:9 at the end. (paste your Japanese draft here)
ポイントは「文章ではなくフレーズで」と指定すること。これを書かないと、AIが丁寧すぎる英文を返してきて、公式の言う「長いお願い文」になってしまいます。
ブログですぐ使えるプロンプト例文
国内の解説記事でも、画風やテイストを指定するだけで雰囲気が大きく変わると紹介されていました。型に当てはめて作った、ブログのアイキャッチで使いやすい例文を2つ置いておきます。被写体や色を差し替えれば、いろいろなテーマに応用できます。
出典:SHIFT AI TIMES(日本)「【271の実例】Midjourneyのプロンプトの基本やコツを完全網羅!」
https://shift-ai.co.jp/blog/9332/
例文1:技術記事向けのフラットイラスト
日本語プロンプト
パソコンの画面から飛び出す歯車と電球、フラットなベクターイラスト、白い背景、くすんだピンクとグレーの配色、シンプルで明るい雰囲気、中央に大きく配置
英語プロンプト(Midjourney用)
gears and a light bulb popping out of a computer screen, flat vector illustration, white background, dusty pink and gray color palette, simple and cheerful mood, centered composition --ar 16:9

例文2:コラム記事向けの静物写真
日本語プロンプト
開いたノートと万年筆とマグカップ、写真、リネンのテーブルクロスの上、窓から差し込む朝の光、白とベージュのやさしい色味、穏やかな雰囲気、真上から見下ろした構図
英語プロンプト(Midjourney用)
an open notebook, a fountain pen and a mug, photograph, on a linen tablecloth, morning light from a window, soft white and beige tones, peaceful mood, top-down flat lay --ar 16:9

困ったらDescribeで画像からプロンプトの候補を出す
「こういう雰囲気の画像を作りたいけど、英語でどう言えばいいか分からない」というときに便利なのが、画像を読み込ませてプロンプトを提案してもらうDescribe機能です。V8.1のアップデートでDescribeが改良され、より長く詳しいプロンプトを提案してくれるようになったと公式に発表されています。現在デフォルトのV8.2でも同じように使えます。
出典:Midjourney Updates(アメリカ)「V8.1 Alpha」
https://updates.midjourney.com/v8-1-alpha/
なお、Describeは元画像に使われたプロンプトを復元する機能ではなく、画像を見て「こう書けば近づきそう」という候補を出してくれる機能です。同じ画像でも、かけるたびに違う候補が出てきます。
なので、提案されたプロンプトをそのまま使うというより、「光はこう表現するのか」「この雰囲気はこの単語か」と語彙を増やすための辞書として使うのがおすすめです。筆者はお気に入りの写真をDescribeにかけて、出てきた単語をメモ帳にストックしています。
Midjourney入門連載
- 第1回 Midjourneyの使い方入門
- 第2回 プロンプトの書き方と「型」(この記事)
- 第3回 パラメータの使い方を検証
- 第4回 sref・ムードボード・パーソナライズで絵柄を固定する
- 第5回 Edit機能で部分修正と同じキャラの再登場に挑戦
- 第6回 静止画を動かす、Midjourneyの動画生成
- 第7回 アイキャッチ量産の実践ワークフローと商用利用の注意点
まとめ
Midjourneyのプロンプトの書き方を、公式ドキュメントと5カ国の解説記事から整理してみました。公式が推しているのは、人にお願いするような長い文章ではなく、完成した画像を一言で説明するような短くシンプルなプロンプトです。書く内容は、公式が紹介している被写体・表現方法・場所・光・色・雰囲気・構図の7要素を、この記事では「被写体を先頭に置く型」として整理しました。ドイツ、フランス、中国の記事も、細かい分類は違えど「主題から書き始める」という大枠はよく似ていました。あいまいな言葉を具体的にする、数を決める、欲しい状態を具体的に書く(明確に除外したいなら–no)、こだわらない部分はあえて書かない、というコツも効果的です。筆者は日本語で下書きしてAIにフレーズ形式で英訳させる方法に落ち着きましたが、これなら英語が苦手でも十分に戦えます。語彙に困ったらDescribeでプロンプトの候補を出してもらうのも手です。次回は、プロンプトの末尾に付けるパラメータを検証します。まずは型を1つずつ足して、変化を楽しんでみてください