※諸説あり
2020年7月、神奈川県大和市が全国で初めて「歩きスマホ」を条例で禁止しました。 足立区も荒川区も、この大和市条例がベースになっています。 施行前の実態調査データや、その後の鉄道会社との連携協定まで、条文に基づいてプロジェクトが整理します。
正式名称は「大和市歩きスマホの防止に関する条例」です。2020年6月25日に市議会で可決・成立し、 同年7月1日に施行されました。地方自治研究機構(RILG)によれば、公共の場所における「歩きスマホ」を 条例で禁止したのは全国で大和市が初めてです。のちに制定された足立区条例は、 「市」を「区」に置き換えるなど、構成・文言が大和市条例とほぼ同様になっています。
出典:一般財団法人 地方自治研究機構(RILG)「歩きスマホ防止に関する条例」 https://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/049_taching_smartphone_on_walking.htm
条例第5条は「何人も、公共の場所において歩きスマホを行ってはならない」と規定しています。 対象となる「公共の場所」は市内の道路・駅前広場・公園など(室内などは除く)、 「歩きスマホ」はスマートフォン・携帯電話・タブレット端末等の画面を注視しながら歩行することと定義されています。 スマホなどを使用する際は、他者の通行の妨げにならない場所で、立ち止まった状態で行うことが求められます。
出典:大和市「歩きスマホは禁止です」(条例本文PDF・逐条解説PDFを掲載) https://www.city.yamato.lg.jp/gyosei/soshik/64/bosai_anzenanshin_1/kotsuanzen/5105.html
条例に罰則規定はありません。市民や事業者には、歩きスマホ防止の意識啓発など市の施策に協力するよう 努める責務が課されていますが、これも努力義務にとどまります。 大和市の担当者は報道の取材に対し、将来的にも罰則の導入は考えていないと説明しています。
出典:大和市「歩きスマホは禁止です」 https://www.city.yamato.lg.jp/gyosei/soshik/64/bosai_anzenanshin_1/kotsuanzen/5105.html /くるくら「歩きスマホ防止条例施行、神奈川県大和市で全国初」 https://kurukura.jp/safety/200630-70.html
大和市は条例制定に先立ち、2020年1月に中央林間駅前・大和駅前の2か所で歩行状況調査を実施し、 約12%の通行人が歩きスマホをしている実態を確認しました。 また2019年5月には、歩きスマホをしていた人が負傷し救急搬送される事例も発生しており、 こうした実態を踏まえて独自の条例制定に至ったと報じられています。
出典:カナロコ(神奈川新聞)「ストップ歩きスマホ 大和市が条例制定へ 市民に努力義務」 https://www.kanaloco.jp/news/government/entry-307301.html /リセマム「全国初『歩きスマホ』防止条例制定…神奈川県大和市」 https://resemom.jp/article/2020/06/26/56940.html
大和市内は小田急電鉄・相模鉄道・東急電鉄の3路線が乗り入れる鉄道網が充実していることから、 条例施行後の2020年10月23日、大和市とこの鉄道会社3社は「歩きスマホ防止連携協定」を締結しました。 日々利用する駅構内での歩きスマホ防止を推進することが、他の場面での歩きスマホ防止にもつながるとしています。
出典:大和市「歩きスマホは禁止です」(鉄道3社と大和市が「歩きスマホ防止連携協定」を締結・PDF) https://www.city.yamato.lg.jp/gyosei/soshik/64/bosai_anzenanshin_1/kotsuanzen/5105.html
大和市が鉄道3社と連携協定まで結んだ背景には、駅ホームでの事故リスクがあります。 駅ホームからの転落事故の要因として最も多いのは実は酔客で全体の約6割を占めますが、 携帯電話使用(歩きスマホを含む)による転落も年間25〜45件程度報告されており、無視できないリスクです。 詳しくは駅のホームでの事故事例で解説しています。
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今日から、顔を上げる。
歩きスマホ撲滅プロジェクトを名乗っておきながら、恥ずかしながら「全国初の条例がどこか」を きちんと調べたのは今回が初めてでした。足立区や荒川区の条例が、実は大和市条例をほぼそのまま ベースにしていたという事実にも、正直驚かされました。ルーツをたどることの大切さを痛感しております。
条例を作る前に、駅前で実際に人数を数えて実態を確認していたという大和市の姿勢には、 思い込みで語りがちな当プロジェクトとしても、大いに見習うべきところがあると感じております。