※諸説あり
2025年10月、愛知県豊明市で全国的に話題になった「スマホ条例」。 実はこの条例、対象は「歩きスマホ」ではなく、日常のスマホ・PC・タブレット利用全般です。 条文に基づいて、プロジェクトが内容を整理します。
正式名称は「豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例」です。 2025年9月22日に豊明市議会で可決され、同年10月1日に施行されました。 報道では「スマホ2時間条例」「スマホ使用条例」等の通称で呼ばれています。
出典:豊明市「『豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例案』が、9月22日に可決されました。」 https://www.city.toyoake.lg.jp/item/31563.htm
条例第4条が定める基本目標は、「余暇時間における電話や生活に必要な機能の使用以外でのスマートフォン等の使用について、 1日当たり2時間以内を目安とするよう、市・保護者・学校等・専門職等が連携して促す」というものです。 対象機器はスマートフォンに限らず、パソコン・タブレット・ゲーム機器等も含まれます。 条文上、「歩きながらの使用」を名指しで規制する条項はなく、道路や駅など特定の場所・行為を対象とした規定ではありません。
出典:豊明市「豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例」条文(PDF) https://www.city.toyoake.lg.jp/secure/31594/sumahojyoureibun.pdf
条例には罰則規定がありません。第4条をはじめとする各条項は「促す」「努めるものとする」といった表現にとどまり、 違反しても行政指導や罰則の対象にはなりません。豊明市長は条例成立後の会見で、 「あくまで目安だ」とし、市民が自身のスマホ利用や睡眠時間について振り返るきっかけを目的としていると説明しています。
出典:日本経済新聞「スマホ依存に一石 『1日2時間以内』条例、愛知県豊明市で成立」(2025年9月22日) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD179DU0X10C25A9000000/
豊明市は以前から不登校対策に取り組んでおり、子どものスマホ長時間利用が睡眠不足や生活リズムの乱れにつながり、 不登校児の社会復帰の妨げになっているとの認識から条例を制定したと説明しています。 なお、市議会は条例可決にあわせて附帯決議も可決しており、 (1)市民の自由と多様性の尊重、(2)誤解を招かない丁寧な説明と情報提供、(3)子ども・保護者との連携と支援、 (4)継続的な市民意見の集約、(5)条例の効果検証と見直しの仕組み、の5項目が盛り込まれています。
出典:豊明市「『豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例案』が、9月22日に可決されました。」 https://www.city.toyoake.lg.jp/item/31563.htm / 日本経済新聞「スマホ依存に一石」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD179DU0X10C25A9000000/
豊明市条例は歩行中の事故防止ではなく、子どものスマホ長時間利用による生活リズムの乱れを主な問題意識としています。 一方、大和市・足立区・葛飾区などが定める「歩きスマホ」限定の条例は、 駅ホームからの転落や横断歩道での事故といった、歩行中特有の危険性を対象にしています。 こうした条例の違いは自治体別の条例まとめで、 歩きスマホによる具体的な事故リスクは事故・危険事例まとめでご覧いただけます。
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正直に申し上げますと、私たちも最初は「歩きスマホ規制の強い自治体だ」と思い込み、勇み足で取材してしまいました。 実際は「歩きながら」ではなく「1日の余暇時間」を対象にした条例で、罰則もありません。 プロジェクトとしても、思い込みで語らず、条文をきちんと読むことの大切さを痛感しております。
とはいえ、画面を見ている時間の長さそのものに向き合うきっかけを作ろうとする姿勢には、 歩きスマホ撲滅プロジェクトとしても、勝手ながら仲間意識を感じております。