※諸説あり
「大阪市が歩きスマホを条例で禁止している」と紹介されることがありますが、大阪市に単独の歩きスマホ条例はありません。 実際に条例を制定しているのは、大阪府池田市です。歩行中だけでなく自転車運転中の「ながらスマホ」も 対象にしている点が特徴です。条文に基づいて、プロジェクトが内容を整理します。
正式名称は「池田市ながらスマホの防止に関する条例」です。2021年7月1日に施行されました。 スマートフォン等の操作をしながら歩行し、または自転車を運転することが交通事故等を引き起こす可能性のある 行為であることから、ながらスマホ防止の施策を推進し、市民の安全な通行を確保することを目的としています。
出典:池田市「池田市ながらスマホの防止に関する条例」 https://www.city.ikeda.osaka.jp/soshiki/toshiseibibu/koutsudouro/koutsuu/jitensha/13929.html
条例第2条は、公共の場所においてスマートフォン等を保持して操作し、またはその画面を注視しながら歩行し、 もしくは自転車を運転することを「ながらスマホ」と定義しています。 第4条第2項では「何人も、公共の場所においてスマホを操作し、又はその画面を注視するときは、 他者の通行及び利用の妨げにならないように行わなければならない」と規定しており、 大和市条例(歩行のみが対象)とは異なり、自転車運転中の使用も条例の禁止対象に含まれている点が特徴です。
出典:g-reiki.net「池田市ながらスマホの防止に関する条例」(条例本文) https://www1.g-reiki.net/city.ikeda/reiki_honbun/k206RG00001059.html
条例第3条は、市が市民等・事業者と連携し、ながらスマホ防止に関する情報収集・啓発活動等の施策を 推進しなければならないと定めています。また、そのために必要な財政上の措置を講ずるよう努めることも あわせて規定されています。第4条第1項では、市民等・事業者に対しても、この施策への協力を求める努力義務を課しています。
出典:g-reiki.net「池田市ながらスマホの防止に関する条例」(条例本文) https://www1.g-reiki.net/city.ikeda/reiki_honbun/k206RG00001059.html
条例に罰則規定はありません。地方自治研究機構(RILG)の分析によれば、 池田市条例は足立区条例と同様、全国初の大和市条例をベースにしつつ、 「歩きスマホ」を「ながらスマホ」に置き換え、自転車運転時の操作・画面注視も禁止対象に加えた構成になっています。 なお、自転車運転中のスマホ「通話」「画像注視」は、条例とは別に道路交通法および 大阪府道路交通規則によってすでに禁止・罰則の対象となっています。
出典:一般財団法人 地方自治研究機構(RILG)「歩きスマホ防止に関する条例」 https://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/049_taching_smartphone_on_walking.htm /大阪府警察「ながらスマホ啓発チラシ」 https://www.police.pref.osaka.lg.jp/kotsu/kaisei/11203.html
池田市条例が自転車運転中の使用も禁止対象に加えているのは、歩行中よりも速度が出る分、 横断歩道や交差点での接触・事故リスクが高まるためと考えられます。 警察庁の統計では、道路横断中の死亡事故のうち歩行者側に法令違反があった割合は65.1%にのぼり、 歩きスマホが信号無視などの違反に気づきにくくする一因になり得ます。詳しくは 横断歩道・交差点の事故事例で解説しています。
ここまで読んで、歩きスマホの危うさに少しでも共感していただけたなら、それだけで十分です。 下のボタンを押すと、その気持ちが「顔を上げる宣言数」として1カウント加算されます。 大きな決意でなくて構いません。まずはワンクリックで、賛同の意思をお寄せください。
今日から、顔を上げる。
「大阪市」「大阪府」という大きな主語で語ってしまうと、実際に条例を作った池田市の存在が かすんでしまいます。当プロジェクトも過去、「大阪市」という誤った表現を使ってしまったことを、 この場を借りて重ねてお詫び申し上げます。
足立区・荒川区・池田市の3つの条例が、実はほぼ同じ設計図から生まれていたという事実は、 自治体同士が互いの取り組みを参考にし合っていることの表れなのかもしれません。 歩きスマホ対策も、意外と横のつながりで広がっているようです。