試行錯誤ログ

LPのファーストビュー画像をAIで作ってみた、BtoB・飲食店・美容の3業種で試した結果

2026年9月18日

LP制作でいつも時間がかかるのが、ファーストビュー(画面を開いて最初に見える部分)の画像選びです。フリー素材だと他社のLPとかぶりがちですし、かといって撮影を外注する予算も時間もない、というケースは多いと思います。今回はNanobananaを使って、実際にBtoB SaaSのLP用ファーストビュー画像を作りながら、飲食店・美容室でも同じアプローチが通用するのかを検証してみました。

ファーストビュー画像がLPで果たす役割

本題に入る前に、ファーストビュー(英語ではhero image、hero headerと呼ばれます)がなぜ重要なのか整理しておきます。フランスの制作会社の解説記事によると、効果的なヒーローイメージは「訴求力のある画像」「説得力のあるテキスト」「強いCTA(行動喚起ボタン)」の3要素で構成されるとされています(参考:Qu’est-ce qu’une hero image? – Shopify)。つまり画像単体で完結させるのではなく、コピーとCTAとセットで設計する必要があるということです。

また別のフランスの記事では、訪問者は3秒程度でページを読み進めるかどうかを判断するとされており、ヒーローセクションは「5秒以内に理解されるバリュープロポジション(提供価値)」を伝える最重要エリアだと説明されています(参考:Comment construire une page d’accueil qui convertit – La Poste Pro)。画像はこの「一瞬で理解させる」役割を大きく担っているわけです。

BtoB SaaSのファーストビュー画像を作ってみる

今回は架空のBtoB SaaS「業務レポートを自動生成するクラウドツール」というテーマでファーストビュー画像を作成してみます。海外の解説記事では、SaaSのヒーローセクションはストック素材のイラストではなく、実際のプロダクト画面やワークフローを見せる「story-driven(物語を語るような)」な構成が2026年の標準になってきていると紹介されていました(参考:SaaS Landing Page Generator (2026) – Superdesign)。そこで、実際のダッシュボード画面を思わせるモックアップ風の画像を生成してみることにしました。BtoB SaaSプロダクトのファーストビュー用画像。ノートPCの画面にクリーンな業務ダッシュボードUIが表示されている。グラフや数値カード、テーブルが整然と並ぶ。背景はごく薄いブルーグレーのグラデーション、全体的にミニマルで信頼感のあるトーン。過度な装飾や派手な色は避け、落ち着いた印象。実際の企業サイトで使われるような自然な構図。First-view image for a B2B SaaS product. A laptop screen displays a clean business dashboard UI with charts, numeric cards, and neatly arranged tables. Background is a very light blue-gray gradient, overall minimal and trustworthy tone. Avoid excessive decoration or flashy colors, keep it calm and professional. Natural composition similar to what real corporate websites use.

生成してみると、確かにそれっぽいダッシュボード風の画像は出てくるのですが、正直に言うと、グラフの数値や文字が意味不明な文字列になってしまう問題がありました。これは画像生成AI全般の弱点で、細かいUI内のテキストまで正確にレンダリングするのはまだ難しいようです。対策として、テキスト部分をあえて「ぼかす」「小さくする」方向の指定を追加しました。先ほどの構成をベースに、ダッシュボード内の文字やラベルは意図的に読み取れないレベルにぼかしてください。細かい文字を鮮明に表示しようとせず、UIの雰囲気とレイアウトの印象だけが伝わるようにしてください。Based on the previous composition, intentionally blur the text and labels inside the dashboard so they are not legible. Do not try to render small text clearly — only convey the overall impression of the UI layout and atmosphere.

この一言を加えるだけで、変な文字化けが目立たなくなり、むしろ「それっぽく整ったダッシュボード」という印象に寄りました。実際のLP制作でも、細かい文字まで正確に再現しようとせず、雰囲気だけを伝える指定にするのがコツだと感じました。

headline先行でプロンプトを作る

海外の制作ガイドで印象的だったのが、「画像を作る前に、まずヒーローの見出しコピーと3つのベネフィット文を書き切っておくべき」という指摘です。SaaSページでは画像が言葉を追いかける形になるのが正しく、逆の順番だと美しいけれど要領を得ない画像になりがちだとされています(参考:SaaS Landing Page Design with AI (2026) – Lovart)。

今回の架空商材でいえば、見出しコピーを先に「レポート作成の時間を半分に」と決めてから画像を作ったところ、「時間短縮」を視覚的に表現する方向(時計のモチーフやスピード感のある構図)に自然とプロンプトを寄せることができました。画像から考えるより、コピーから考えるほうが最終的な一貫性が出やすいというのは、実際にやってみて納得感がありました。

検証ブロック:飲食店のファーストビュー画像

次に、同じ考え方が飲食店のLPでも通用するか検証してみました。飲食店の場合、フランスのレストラン「L’Oursin」のサイト事例が紹介されており、料理の写真と黄色系のカラーが視覚的に食欲を刺激し、ボタン配置の分かりやすさが来訪者の行動を後押ししていると解説されていました(参考:5 pages d’accueil WordPress pour booster vos conversions – EuroDNS)。BtoBとは真逆で、飲食店では「温かみ」「食欲をそそる質感」が最優先されるということです。個人経営のビストロのファーストビュー用画像。湯気の立つパスタ料理を中心に、木製テーブルの上に温かみのある照明が当たっている。背景はやや暗めのシックな店内、奥にぼんやりとキャンドルの灯りが見える。料理の質感(つや、湯気)を強調し、食欲をそそる暖色系のトーンでまとめてください。First-view image for a small independent bistro. A steaming pasta dish sits at the center on a wooden table, lit with warm lighting. Background is a slightly dark, chic restaurant interior with candlelight glowing softly in the distance. Emphasize the texture of the food (glossiness, steam), and keep the overall tone warm and appetite-inducing.

BtoB用のプロンプトとの違いは一目瞭然で、「信頼感」「ミニマル」というキーワードから、「温かみ」「食欲」「質感」というキーワードに完全に入れ替わっています。実際に生成してみると、同じNanobananaでも指定するトーンだけでここまで雰囲気が変わるのかと、あらためて実感しました。

検証ブロック:美容室のファーストビュー画像

最後に美容室のケースも試してみました。美容室のサイト事例をまとめた記事では、白を基調としたシンプルなデザインでありながら、印象的なトップ画像でサロンの雰囲気を伝えているサイトが「行ってみたい」と思わせる決め手になっていると紹介されていました(参考:美容室のスタイリッシュでイケてるwebデザイン15選 – iMitsu)。飲食店ほどの「食欲」訴求ではなく、「清潔感」「施術後の仕上がりイメージ」が重要になってきます。美容室のファーストビュー用画像。白を基調とした明るく清潔感のある店内で、施術後の艶やかな髪をなびかせるイメージカット。柔らかい自然光が差し込む窓際の構図。過度な作り込み感は避け、上品で落ち着いたトーンにしてください。First-view image for a hair salon. A bright, clean interior in white tones, with an image-style shot of glossy, healthy-looking hair flowing after a treatment. Composition near a window with soft natural light coming in. Avoid an overly artificial look, keep the tone elegant and calm.

美容室の検証では、BtoBの「ミニマルで信頼感」というテイストと、飲食店ほどの強い温かみの中間くらいのトーンに落ち着きました。「清潔感」と「上品さ」というキーワードを入れるだけで、過度に華美にならず、かといって無機質にもならない、ちょうどいいバランスの画像になりやすい印象です。

3業種を並べて見えてきたこと

3業種で同じワークフロー(見出しコピーを先に決める→トーンを表すキーワードを絞る→UI/料理/髪などの主題を具体的に描写する)を試してみて感じたのは、業種が変わっても手順自体は同じで、差し替わるのは「トーンを表す形容詞」の部分だけだということです。BtoBなら「ミニマル・信頼感・落ち着き」、飲食店なら「温かみ・食欲・質感」、美容室なら「清潔感・上品さ・柔らかい光」というように、業種ごとのキーワードセットをあらかじめ用意しておくと、プロンプト作成がかなり速くなります。

まとめ

LPのファーストビュー画像をAIで作る際は、いきなり画像から考えるのではなく、先に見出しコピーとベネフィットを決めてから、業種に合ったトーンのキーワードを添えてプロンプトを組み立てるのが近道だと分かりました。BtoB SaaSでは細かいUI文字をあえてぼかして雰囲気だけを伝える工夫が必要でしたし、飲食店や美容室では「温かみ」「清潔感」といった業種特有のキーワードがトーンを大きく左右します。業種ごとのキーワードセットを手元に持っておくだけで、ファーストビュー画像の量産スピードはかなり変わってくると感じています。

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