※諸説あり
子供の歩きスマホは、大人以上にリスクが高いとされています。視野の狭さという体の発達上の理由に加え、 中学生の2割が歩行中にスマホを使った経験があるという調査もあります。 また、子供を連れた大人自身がスマホの操作に気を取られることも見過ごせません。 公的機関の調査や専門家の知見をもとに、プロジェクトが整理します。
5〜6歳頃の子供の視野は、大人が左右150度・上下120度程度であるのに対し、左右90度・上下70度程度しかありません。 視点も大人より低い位置にあります。加えて、子供は何かに熱中すると周りが見えなくなる傾向が大人より強いとされ、 スマホや携帯ゲーム機に限らず、本や漫画を読みながら歩く、友達とのおしゃべりに夢中になるといった 「ながら歩き」全般が、大人以上に危険だと指摘されています。
出典:セコム「あんしんライフnavi」子ども向けコラム「ウチの子は大丈夫?『ながら歩き』『歩きスマホ』の危険」 https://www.secom.co.jp/kodomo/p/20140925.html
自治体が実施した小中学生対象のアンケート調査によると、歩行中や自転車運転中の携帯電話(スマートフォンを含む)の 使用について、「使用したことはない」が83.0%と最も高いものの、「歩行中に使用したことがある」と回答した子供が 13.8%存在しました。就学状況別に見ると、中学生が最も高く20.1%、次いで小学校高学年という結果でした。
出典:鹿児島市「小中学生に対するアンケート調査結果」(自治体の交通安全・防災関連の公表資料) https://www.city.kagoshima.lg.jp/anshin/bosai/torikumi/chosatou/documents/26syocyugakusei.pdf
内閣府の交通安全白書によれば、平成29年から令和3年までの5年間の合計で、小学生の状態別死者重傷者数は 歩行中が2,522人(全体の59.0%)で最も多く、次いで自転車乗用中が1,382人(32.4%)となっており、 この2つで全体の約9割を占めています。歩きスマホがすべての原因ではありませんが、 子供にとって「歩行中」がもっとも事故に遭いやすい状況であることは事実です。
出典:内閣府「令和4年交通安全白書」第1節 子供(小学生)の交通事故の状況 https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/r04kou_haku/zenbun/genkyo/feature/feature_01_1.html
視線計測装置を使った実証実験では、スマホの画面を見ながら歩いていると、視界の実に95%を失っている状態になる という結果が報告されています。実験では、画面を見ている間に幼い子供を連れた親子連れが横を通り過ぎても、 被験者はまったく気づかなかったとされています。これは歩きスマホをしている大人が子供に気づけないリスクを 示す実験であると同時に、子供自身が歩きスマホをした場合の危険性の大きさも示唆しています。
出典:ソフトバンクニュース「ながらスマホ(歩きスマホ)の危険性を視線計測で検証。視界の"95%"が消える?」 https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20191101_01
「親がスマホを操作していて子供の事故に気づけなかった」ことを明確な原因として集計した公的統計は、 調査の結果、確認できませんでした。ただし、国民生活センターにはベビーカーや自転車の同乗中に 保護者が目を離した隙に起きた事故の事例(横断歩道でのベビーカー使用中の事故など)が寄せられており、 消費者庁もベビーカー使用時は「車輪にストッパーをかけて、しっかり手を添える」よう保護者に注意を呼びかけています。 歩きスマホがこうした「目を離す」瞬間を増やす一因になり得る点は、注意すべきポイントだと考えられます。
出典:国民生活センター「医療機関からの事故情報収集」事例紹介 https://www.kokusen.go.jp/medical-network/index.html /日本経済新聞「ベビーカー乗車に気をつけて 電車・バス、5年で14件事故」(消費者庁への取材) https://www.nikkei.com/article/...
子供や視覚障害者など、周囲がとっさに反応しにくい歩行者が歩きスマホの被害に遭う事例は、 自治体の条例制定の後押しにもなっています。愛知県江南市では、歩きスマホをしていた人が 視覚障害者と接触し、杖を折ってしまうトラブルが条例制定の背景の一つとして伝えられています。 詳しくは自治体別の条例まとめをご覧ください。
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今日から、顔を上げる。
このページのタイトルには「親のスマホ操作が招く事故リスク」と掲げましたが、正直に申し上げますと、 それを直接裏付ける公的統計は見つけられませんでした。事実として存在しないものを、 あるかのように書くわけにはいきません。この点は明確にお伝えしておきたいと思います。
一方で、視界の95%を失うという実験結果や、子供の視野が大人よりずっと狭いという事実からは、 「大人がスマホに気を取られている間に、子供の異変に気づけない」というリスクは十分に想像できます。 統計にならない危険もある、ということを心に留めておきたいと思います。